Still life - 果実の視点から
「食と現代美術 Vol.8-アートと食と街」/BankART KAIKO+BankART Station(横浜)/2021
セザンヌは、りんごとオレンジの静物をあらゆる角度から捉えた姿を1枚の絵画の中に描き表した。そこに描かれたりんごやオレンジは、様々な方向を向いて佇む人々のようにもみえた。
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「食と現代美術」展出品作品。それぞれ過去の展示でお世話になった青森県弘前市からりんごを1箱、愛媛県宇和島市から柑橘類を1箱送っていただき、セザンヌがモチーフとして見ていた「静物」を再構成し、さらに果実を送っていただいた箱をピンホールカメラにしてその「静物」を撮影した。
果実は、その土地の光や、水や土や空気をいっさんに受けて育ち、送り届けられた先で彼の地の匂いをたちのぼらせる。果実たちがそれぞれに旅した末に出会った場所から、みつめているのはどんな景色か。
Special thanks: tecoLLC、兼田農園、宇和島市観光物産協会、えひめ南農業共同組合 特産品センターみなみくん、 Chiemi Honzawa